国立大学法人三重大学とバイオコモ株式会社が経鼻噴霧型RSウイルスワクチン開発において台湾のTFBS Bioscience株式会社にワクチン製造を委託

令和6年4月25日

■ 重症肺炎を引き起こすことがあるRSウイルスに対する国産経鼻ワクチンの実用化に取り組みます

【概要】
 近年、世界はさまざまな新興感染症の脅威にさらされており、これらの脅威に対処するため、国立大学法人三重大学(以下、「三重大学」とする)とバイオコモ株式会社(福村 正之 代表取締役)は、新しいウイルスベクターを用いたワクチン作製プラットフォームの開発に取り組んできました。この度、日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもと、ワクチン製造パートナーとして台湾のTFBS Bioscience株式会社(Ta-Tung Yuan 代表取締役)にワクチン製造を委託し、乳幼児や高齢者において重症肺炎を引き起こすことがあるRSウイルスに対する国産経鼻ワクチンの実用化に取り組みます。

【背景】
 このワクチン開発プロジェクトに対して、三重大学、バイオコモ株式会社らは、AMEDが2022年に設立した先進的研究開発戦略センターSCARDA (Strategic Center of Biomedical Advanced Vaccine Research and Development for Preparedness and Response) から研究資金を受け入れています(研究開発代表者 三重大学 野阪 哲哉 教授)。三重大学、バイオコモ株式会社が共同開発したウイルスベクター BC-PIVは、標的細胞内で二次感染性ウイルスが産生されません。そのため安全性が高いことが期待され、抗原タンパク質と遺伝子を効果的に標的細胞に運ぶことができるため、感染症ワクチンへの利用が期待されます。この度、台湾のTFBS Bioscience株式会社がRSウイルスワクチン開発プロジェクトの製造パートナーとして選ばれ、国際的ガイドラインに則った、ウイルスベクターワクチンの製造工程開発と製造、品質試験、安全性試験を行うことにより、経鼻噴霧型RSウイルスワクチンのヒト治験の早期実現に向けて協力します。

【今後の展望】
 このRSウイルスワクチンの開発は、新興感染症に迅速に対処するためのワクチン実用化体制構築の試金石になる可能性があります。 三重大学、バイオコモ株式会社はTFBS Bioscience株式会社によるウイルスベクターワクチン製造体制を活用し、次世代型のバイオテクノロジー医薬品開発により世界の保健衛生に貢献したいと考えています。

【研究支援】
 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) 
 事業名:ワクチン・新規モダリティ研究開発事業
 研究開発課題名:新規細胞質型RNAウイルスベクターを用いた新興・再興感染症ワクチン作製プラットフォームの確立と遺伝子組換えワクチンのカタログ化

 この連携プロジェクトに関してご質問がある場合、またはさらに詳しい情報が必要な場合は、以下までお問い合わせください。

<本件に関するお問合せ>
【国立大学法人三重大学】野阪 哲哉
〒514-8507 三重県津市江戸橋2丁目174
三重大学大学院医学系研究科 感染症制御医学・分子遺伝学分野
TEL: 059-231-5008(直通)
e-mail: nosaka@doc.medic.mie-u.ac.jp

【バイオコモ株式会社】福村 正之
〒510-1233 三重県三重郡菰野町菰野1325  バイオコモ株式会社
TEL: 059-392-7333
e-mail: m-fukumura@biocomo.jp

【TFBS Bioscience株式会社】
3F., No.103, Ln. 169, Kangning St. Xizhi Dist., New Taipei City, Taiwan
TEL: 886-2-26947888
e-mail: service@tfbsbio.com

<その他発表に関する問い合わせ先>
三重大学企画総務部総務チーム広報室
TEL: 059-231-9794
e-mail:koho@ab.mie-u.ac.jp


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